loveless zero入り 〜そしてまたしても自分語りシリーズ

承認欲求(マズローでいうところの第3〜第4)が十分には満たされていない場合に、こういった感覚になるのは分かる…気がします。ただ素人考えでは、相手にとってみるとそれじゃあ「誰でもいい」みたいで自尊心が許さなそうな気がしないでもないです。

ついにloveless zeroに掲載されましたよ。俺の非モテ活動家としての原点のようなサイトですので、嬉しいような、こそばゆいような…。

俺も、「誰でもいい」と思われてるんだろうな、とは自覚していますが、何と言うか、この場合「誰でもいい」というのには2通りあるような気がするんですね。それこそ、ただヤりたいだけの「身体が目的」というような性的な意味での「誰でもいい」と、いやこの際セックスすらもどうでもよくて、ただひたすら無条件の承認や癒し、安らぎを求める、精神的な意味での「誰でもいい」というのが。

どっちもあまり健全な状態ではないとは思いますが、これら2つを混同されると、何だかおかしな評価を受けそうな気がします。

たいてい俺みたいなヤツに「それじゃあ、誰でもいいのかよ」と非難される方は、多分に性的な意味での「誰でもいい」について言われていることが多いのですが、「自尊心が許さなそう」というご指摘は、精神的な意味での「誰でもいい」という点についてのことだと思いますので、俺に的確なダメージを与えることに成功しています。

でも、これは、俺のように「理想なき非モテ」には仕方のない感覚なんですよね…これが『電波男』で語られるような「愛に殉ずる非モテ」とは決定的に違うところなんです。ホント、どうにかならないものでしょうか。

そして、いざ付き合うとなっても、まず先に立つのは「相手に嫌われないこと」。相手のために、というよりも、自分の「愛されるべきポジション」を守るために、ひたすら奔走します。デートなんかした日には、仕事の数倍クタクタになってしまいます。

もうね、足りない恋愛回路をフル回転ですよ。「これを言ったら嫌われるんじゃないか…いやまて、だからといって遠慮しているように見られてもいけないから、ちょっとくらいは辛辣なことも言っておかないと…ああ、つまらなさそうな表情はしてないか…ん? いまの視線の動きは何だ…」といった感じで、ボードゲーマー的表現でいくと、「『貴族の務め』*1をプレイしている状態」です。つまるところ、ずっと相手の心理を「よむ」ことに終始してしまいます。

非モテと自称はしているものの、実のところ、女性との交際経験はないわけではないので、経歴詐称かよ、と思われるかもしれませんが、そんな交際で幸せを感じることなんてできるはずもなく、良い思い出なんて何一つありません。「ああ、しんどかったなぁ…」てなもんです。今でも、思い出すとクラクラします。

でも、だからこそ苦しいんですよ。結局、頑張って女性と交際することにこぎつけてみたものの、それでも俺の「非モテ」感が救われることはなかったんですから。

まあ、「脱オタク」については別段努力も要らず、というか、ちょうどオタクコミュニティからもドロップアウトしてしまった(オタク仲間からも嫌われた)のと、ちょっとはグラフィックデザインを志向していたということもあり、とりあえず、こざっぱりとした雰囲気を演出することは自然と(というか成り行きで)できるようにもなりましたが、それも俺にとっては、「オタクですらいられなくなった」ということですし、何というか、今でも「オタクコミュニティからも承認されない」ような感覚は持っています。「ああ、結局俺にはどこにも居場所がないんだ」というような感覚…。

だから、『電波男』の「ほんだシステム」については、俺を救ってくれるものではないと感じています。もっとも、それを差し引いてすら、『電波男』は「不可視の弱者からの、今までにない強烈な主張」ということに意義があるので、そんなことは些細なことですが。

ところで、今の俺が最も羨ましいと感じる、人の性格は何か…それは、「屈託のなさ」です。えー、ちょうど今、知人とそういった話で盛り上がりかけているところなんですが、屈託のない、誰からも好かれる人、どこか憎めない人というのは、俺のポジションからもっとも正反対にあるのではないかと思うのです。

こういった人は、「本当の自分を分かってもらえない」というような、人間不信のようなことを、「本音」としてポロっと漏らされることがありますが、それは、「八方美人的ふるまい」が効を奏してきたという経験があるからこそ言えることで、俺のように「八方不美人」がごとく、誰からも相手にされない(好かれることも、嫌われることもあまりなく、ただそれでもたまに、嫌われる)状態の人間からみると、「それでも事実として好かれてるんだからいいやん」と感じてしまいます。

多分向こうも、俺のような立場の人間の気持ちは分からないのではないでしょうか。事実、「スネているだけだ」みたいな指摘を受けたりもしましたから。

ただ、この断絶に、モテ/非モテ問題を考えるうえでの、立場の違いというか、重要な前提条件が隠されているような気がするのです。

ああ、何か気の利いたことも言えないまま、ダラダラと長くなってしまいました…。

*1:俺が最も愛するボードゲーム。高度なじゃんけんのような白熱した心理戦が楽しめます。メタゲームが好きならおすすめ。
http://www.mobius-games.co.jp/AdelVerpflichtet.htm